結晶成長討論会の内容

−体験実習をもとに結晶の成長メカニズムを探る−


晶成長メカニズムを探る
 結晶成長討論会は、結晶の表面観察や“その場”観察や実験結果の取りまとめの体験実習を多く取り入れ、これにより、学生や若手研究者、結晶成長を学ぶ企業の研究者や技術者の方々に、結晶成長メカニズムを実践的に理解してもらおうという趣旨で開催しています。自分の専門の結晶は知っているけれど、他の結晶は知らないという人のために、結晶成長を“その場”観察したり、コンピューターでシミュレーションしたりできる時間帯をもうけます。
 昨年は分析や環境関係の企業からの参加も見られました。今回も自由な雰囲気のなかで、結晶成長メカニズムをキーワードに結晶成長の理解を深めましょう。実習内容は、順次ホームページで公開していきます。今年は新しいテーマの実習や講義がある程度リニューアルされます。

論会は次のような方々に最適です
◇大学で結晶成長の授業や演習・実習を受講していない学生。
◇他分野から結晶成長の研究に携わるようになった研究者。集中講義として利用できます。
◇結晶成長の最新の発展を分かりやすく学びたい研究者。
◇結晶成長の実習を取り入れたいと考えておられる教育機関の先生方。表面観察や“その場”観察のノウハウを学べます。
◇オープンキャンパスなどで結晶成長のデモを実施したいが、簡単な方法が見つからずに迷っている方。
◇自分の“結晶成長”を若手の研究者に直接伝えてみたいと考えておられるシニア研究者。
◇持ち寄った結晶資料を、AFM、コンフォーカル顕微鏡、位相シフト干渉計など最新装置で比較しながら観察したい方。

習と講義の内容
◇「超高解像AFMにより液中で成長している結晶表面の原子像を得よう」「世界に1台しかないSpin-SEMによる超微粒子のナノ磁区構造観察」「コロイド結晶成長の謎を解き明かせ」など7件の最先端研究講演を行います.
※講演予定者(敬称略):
東京農工大学・松岡正邦「固相からの再結晶化-現象と速度論-」
京都大学・大藪範昭「液中における結晶表面の高分解能FM-AFM観察」
産業技術総合研究所・甲野藤真「スピンSEMによるナノ結晶材料の実空間スピン分析」
東京工業大学・石川正道「コロイド結晶成長の謎を解き明かせ」
明治大学・大塚岳「スパイラル成長の等高線法による数値シミュレーション」
産業技術総合研究所・山口智彦「BZ反応のラセン」
東北大学・塚本勝男「Interferometric Techniques for Investigating Growth and Dissolution of Crystals in Solutions」

◇核生成実験や結晶成長速度精密測定などの研究実習を実施します.また,高精度表面観察やコンピュータ・シミュレーション,結晶のキラリティの判別など多数の体験実習も行います.簡単な“その場”観察の方法,その他アイデアに富む実習を計画しております.
※講師予定者(敬称略):
○研究実習
名古屋市立大学・山中淳平,物材機構・澤田勉「コロイドフォトニック結晶の作製と観察」
オリンパス・真木孝雄,産総研・徂徠正夫「位相シフト干渉計による鉱物の高精度反応速度計測」
JAXA・稲富裕光「浮遊メルトの核生成」
○体験実習
アクセルリス・アブジットチャテジー「Molecular Modeling for Power Electronics Devices with Focus on Nitride Materials」
名古屋大学・宇治原徹「身近な材料の単結晶引上げ」
東北大学・塚本勝男、北海道大学・佐崎元「Interferometric Techniques for Investigating Growth and Dissolution of Crystals in Solutions」
東北大学・新家寛正、東北大学・塚本勝男、名古屋大学・上羽牧夫「キラリティーの光学的判別」
学習院大学・入澤寿美「MCシミュレーション観察で見る結晶成長」
東北大学・三浦均「フェーズフィールド法による結晶化の数値シミュレーション:結晶とその周囲の環境との相互作用」
明治大学・大塚岳「スパイラル成長の等高線法による数値シミュレーション」
産総研・山口智彦「BZ反応のラセン」


討論会フォーカスグループ:石川 正道、稲富 裕光、宇治原 徹、小沼 一雄、木村 勇気、纐纈 明伯、佐藤 久夫、佐崎 元、澤田 勉、塚本 勝男(代表)、灘 浩樹、藤岡 洋、真木 孝夫、三浦 均、横山 悦郎